精神神経科

当科について

科の特色・紹介

精神神経科は、昭和31年設立以来、総合病院(一般病院)における精神科として、長く大阪市の精神医療に携わって来ました。精神科医師7名のうち4名は精神保健指定医で、幅広く精神疾患の患者さんの診察と治療にあたっております。

大阪市内における精神科医療機関(特に入院病床)が少ない中で、本院は引き続き42床の精神科病床を維持し、大阪府・大阪市の精神医療に協力してまいります。

本院精神科の特色として、総合病院精神科としての利点を活かし、院内の他、診療科の協力を得て精神疾患患者さんの身体合併症の治療を重点的に推し進めていく方針です。

精神科外来と並行して、心理療法および心理検査を臨床心理士が行っています。

対象疾患・診療実績

対象疾患

外来診療では、統合失調症、躁うつ病、神経症、てんかん等の疾患の診察と治療を行っています。外来通院患者さんの症状が悪化したり、身体合併症が発生した場合に入院治療を行います。入院治療につきましては、医療連携の主旨に基づき、身体合併症を有する患者さんを中心に精神科病院・診療所からのご紹介に応じていく方針です。

なお、本院精神科の治療構造上、精神興奮等の急性期症状が持続される場合には、入院受け入れが困難であることから、その際には近隣の精神科病院に入院治療を依頼しています。

診療実績

・外来患者数:1日平均90人(3診)
 ・他診療科入院中の新患患者数:200人

お知らせ・その他

初診の患者さんへの診察について

初診の患者さんは、かかりつけ医から事前予約をされている方のみ診察させていただいております。

お申し込みなく来られた患者さんに関しては、お断りすることがありますのでご了承ください。

「ひきこもり外来」について

「ひきこもり」とは、「学校に行きたいのに学校に行けない」、「仕事に行きたいのに仕事に行けない」、「家の外に出たいのに、出れない、出られない」、このような状態をひきこもりと呼びます。ある調査では、一生のうち一度でもこのような状態を経験した人は、全人口の1.2%、ひきこもり状態の家族のいる世帯は、0.5%と言われています。

●ひきこもりと精神障害

ひきこもりの背景には、さまざまな事情があります。我々がまずお伝えしたいことは、ひきこもりに陥る方の中には、「何らかの精神障害にかかっている人が少なからずおられる」、ということです。ある調査では、ひきこもりで相談に訪れた184人のうち、49人が薬物療法を必要とする統合失調症などの精神障害に罹患していたと報告されています。
ひきこもりは、本人の問題、家族の問題と思われがちですが、その背景には、なんらかの病気が潜んでいて、治療が必要な場合もあります。

当院のひきこもり外来の目的は、ひきこもりの状況に陥っておられる方の中から、統合失調症など薬物療法を必要とする病気にかかっておられる方を 見つけ出し、早期に治療を開始することにあります。

●ひきこもり外来で何をするの?

①まずお電話ください。

  • ・お問い合わせ窓口:大阪赤十字病院精神神経科ひきこもり外来担当
       ☎ 06–6774–5111(代表)
    ・電話受付日時:毎週月曜日 10:00~15:00まで
    (※ただし、祝日など休診日を除く)
    ・完全予約制のため、電話連絡なしで来院されても、診察はできませんのでご注意ください。

②お電話で簡単にお話を伺い、受診が必要と判断させていただきましたら、ご予約をおとりいたします。
予約日にご来院ください。

③来院されると 

  • 1)臨床心理士が、幼少期から現在までのご本人の経過(生育歴)を、ご本人とご家族から伺います。
    *ご本人が小さいころのお話を伺いますので、可能な限りご家族同伴でお越しください。
    *母子手帳や、学業成績表などがあれば、大変参考になりますので、是非ご持参をお願いいたします。
    2)当院精神神経科医師が、診察をいたします。診察の結果、もし薬物を服用したほうが良い状態であれば、一緒に考えます。
    できるだけ早く診察し、できるだけ早く治療を開始することが、なにより必要です。
    *ご家族のみによる相談は行っていませんので、ご了承ください。

●どのような人が対象なの?

  • *年齢13歳から35歳まで。
  • *現在、精神神経科に通院されていない方。
    精神神経科に通院されている方は、主治医の先生とよくご相談してください。当院のひきこもり外来の受診を希望される際は、まずお電話をしていただき、通院先の医療機関から診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。

*以下のような症状に心当たりのある方はないですか。一つでも心当たりがあれば、受診を検討されてはいかがでしょうか。

  • 1)実際の場面と変わりがないほど鮮明に、頭の中に昔の場面が浮かぶ。
    :単に過去の情景が見えるだけでなく、何を話しているかまでがわかる場合や、「まるで今その場にいるようだ」と感じられる場合もあります。
  • 2)学校へ行くと、どことなく周囲から見られている感じがして緊張する。
    :周囲に人がいる場所で、人から見られているとか、人から悪口を言われている感じがします。それが本当かどうかは半信半疑で、その場を離れると自分が気にし過ぎているのだと思い返したりすることもあります。また、周囲に誰もいない状況でも、何かに見られていると感じられる体験。見られている感じははっきりしているけれども、実際に誰が見ているのかはよく分からないということもあります。
  • 3)意識して考えていることと無関係な考えが、発作的に押し寄せてきて、頭がごちゃまぜになり、まとまらなくなる。
    :取り留めもない、いろんな雑念が連続して勝手に浮かんできます。考えが勝手に広がって行くと感じられる場合もあります。悩み事がある場合には、よく「考えあぐねる」ように、同じことを考えることがありますが、そういう体験とは全く違って、自分の意思とは無関係に勝手に考えが浮かんで来ます。何かを見たことがきっかけになって、勝手に考えが浮かんでくる場合もあります。
  • 4)頭の中でコンサートをやっている。
    :テレビのコマーシャルソングや童謡のような、聞き知っている音楽、稀に聞いたこともないような音楽が頭の中に聞こえてきます。典型的な場合には、「聞こえてくる」、「鳴り響いている」といった風に体験されます。
  • 5)音がすると気が散って、注意の集中が出来ない。ビクッと驚いてしまう。
    :注意を向けている人や物事以外の、自分とは全く無関係なつまらない話し声や物音に、思わず気を取られて注意が散漫になってしまう体験です。
  • 6)人の話を聞いても、何をいっているかわからない。書かれているものを見ても、活字を追っているだけで、それ以上のものとはならない。
    :これまでは普通に理解できていた日常会話が、知らない外国語を聞くように分からなくなったり、簡単な文章すらも十分な時間をかけなければ理解できなくなる体験です。
  • 7)いつも何かに追われているような圧迫感がある。例えば、いつも面接の前のような緊張感がある。あるいは、眼に映る全てのもの、例えば、物や文字や人が自分に襲いかかってくるように感じられる。
    :周囲の人の目つきや態度が、自分を責めているような感じがして、自分では全く心当たりはないけれども、気がつかないうちに自分が大変な犯罪を犯してしまったのではないかと感じてしまうような体験です。

●いくらかかるの?

当院を初めて受診される方(過去に当院を受診されたことはあるが、しばらく受診がない方も含む)で、紹介状をご持参でない方は、初診料とは別に、保険外併用療養費として5,400円(税込)が必要となります。但し、紹介状をご持参の方や当院通院中の方は、保険外併用療養費は不要です。当外来の診察は保険診療となり、診察料が別途必要となります。

クロザピンによる治療抵抗性統合失調症の治療

●患者さん・ご家族へ

クロザピン(商品名:クロザリル)は、これまでに複数の抗精神病薬による治療を受けてきたにも関わらず、症状が十分に良くならなかった、治療抵抗性統合失調症の患者さんに対する切り札ともいえる治療薬です。

他の治療薬よりも有効性が高い反面、ごく稀に無顆粒球症・心筋炎・糖尿病などの重篤な副作用が出現することがあるため、治療開始は入院による厳密な身体管理のもとで行う必要があり、副作用の早期発見のために外来での定期的な検査も必要となります。

当院はクロザピン認定医療機関であり、当院血液内科、糖尿病・内分泌内科などとの連携のもとでクロザピンによる治療を行っております。

なかなか症状が良くならない統合失調症でお困りの患者さんやご家族は、まずは現在の主治医にクロザピン治療についてご相談ください。紹介状をお持ちになったうえで、いちど当院外来受診をお願いしております。

●医療関係者の方へ

紹介をお考えになる患者さんがいらっしゃいましたら、地域医療連携室までお問い合わせください。

臨床心理士による心理療法・心理検査について

思春期(青年期)の方とそのご家族をはじめ、治療上、必要と判断される患者さんに対して、臨床心理士が心理療法および心理検査を行っています。また、心理相談としてのカウンセリング・ ルームも設けています。
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