産婦人科
Department of Obstetrics and Gynecology
科の特色・紹介
産科
地域の産院として、正常分娩を取り扱っております。そのうえ、大阪府の地域周産期母子医療センターとして、いわゆるハイリスクの妊娠・分娩にも対応しております。NICUを持つ新生児科の強力なバックアップもあり、いわゆる未熟児が出生しても、直ちに新生児医療への対応が可能です。小児外科もあり、心臓を除く新生児の外科的疾患への対応も可能です。また、各種合併症を有する妊娠・分娩でも、当院各科専門医との共同管理下で、妊婦健診から分娩までトータルに管理します。
当院は日本周産期・新生児医学会の周産期専門医の研修施設でもあります。また、OGCS(大阪産婦人科診療相互援助システム)受け入れ施設で、他からの母体搬送を受け入れ大阪府全体の産科医療を支える一翼を担っています。
婦人科
(1)婦人科悪性腫瘍について
当院は地域がん診療連携拠点病院として、子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなどの婦人科悪性腫瘍治療に積極的に取り組み、毎年約100人の新規癌患者さんの治療を行っています。また、日本婦人科腫瘍学会指定修練施設でもあります。手術療法・放射線療法・化学療法(抗がん治療)などを組み合わせた集学的治療を積極的に行っております。進行・再発例に対しては、消化器外科・泌尿器科などとも連携しつつ、拡大手術も行っております。一方、早期症例に対しては、手術の低侵襲化にも取り組んでおります。早期子宮体がん(子宮内膜がん)に対しては、ロボット支援下手術・腹腔鏡下手術を導入しており、早期子宮頸がんに対しては、根治的子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)・腹腔鏡下手術も導入しています。
(2)良性腫瘍を代表とするその他の婦人科領域について
子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症といった良性疾患に対する治療については、手術療法のみならず、薬物治療などの他の選択可能な治療法の提案も行っております。最近は身体的負担がより少ない内視鏡下の手術が増加しており、近年、多くの良性疾患に対しては経腟的(vNOTES)や単孔式も含めた腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術・子宮鏡下手術を選択しております。vNOTESや単孔式腹腔鏡下手術は他院ではあまり行われておらず、整容に考慮した低侵襲手術を積極的に行っております。
(3)女性医学領域について
更年期などいわゆる女性医学の領域ではホルモン欠落症状、骨粗鬆症、骨盤性器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)など女性の諸症状の予防・改善を通じ、女性のQOL(生活の質)の向上に資することを目指しています。日本女性医学学会認定研修施設でもあります。また、特に骨盤臓器脱については、従来の経腟的子宮脱手術から、より根治性の高いとされる仙骨腟固定術や腟断端挙上術をロボット支援下手術・腹腔鏡下手術まで幅広く行っております。
不妊症治療など生殖医学領域に関しては、一般不妊治療は行いますが、体外受精などART(生殖補助医療)は行っておりません。
対象疾患
産科
- 正常分娩
- 各種合併症を含むハイリスク妊娠・分娩
婦人科
- 悪性腫瘍(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん等)
- 良性腫瘍・類腫瘍(子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症等)
- 炎症性疾患
- 骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)
- 女性のヘルスケア(更年期症状・月経に関する異状等)
診療実績
令和5年度
入院
延患者数 | 新入院患者数 | 一日平均患者数 | 平均在院日数 |
---|---|---|---|
13,210人 | 1,806人 | 36.1人 | 7.1日 |
外来
延患者数 | 新外来患者数 | 一日平均患者数 |
---|---|---|
22,922人 | 1,737人 | 94.7人 |
- 年間分娩数:647例
- 年間母体搬送受入件数:49件
- 手術総数: 660例/年(帝王切開含む)
- 新規悪性腫瘍治療症例: 71例/年
[内訳]
子宮頸がん 20件
子宮体がん 38件
卵巣がん 42件
腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮頸がん) 2件
腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がん) 20件 - 年間化学療法: 180クール(令和5年度)
※薬剤の種類によっては、通院による化学療法も可能です。
QI(Quality Indicator)-医療の質をはかる指標-
▶ 分娩件数
お知らせ
分娩を希望され、初回受診される方へ
当院で分娩を希望される方は、受診前に以下に該当しないことを確認のうえ受診してください。
なお、以下に該当する場合は、受診前に産婦人科外来へ電話(代表:06-6774-5111)でお問い合わせください。
- コロナ感染者との濃厚接触者
- コロナ感染後で症状改善後2日経過せず、感染後10日以上経過していない
- コロナ感染が疑われる症状(発熱、のど痛、咳、鼻水など)がある
分娩のお申し込みについて
当院での分娩ご希望の方は、産婦人科外来を受診してください。なお、定員になり次第、締め切らせていただきます。お電話での分娩予約は、いたしておりません。
※実際のご予約状況とホームページでのご予約状況には、タイムラグが発生する場合がございます。分娩予約に関する空き状況につきましては、直接お電話にてご確認ください。分娩予約に関する電話対応は15:00~16:30の時間のみ受付します。
分娩予約状況
2024年 | 11月 | 12月 | 2025年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
△ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
〇・・・予約枠あり ×・・・予約枠なし
△・・・残りわずか(15:00~16:30の時間に必ずお電話でお問いあわせください。)
令和6年9月3日現在
産科入院のご案内について
(1)分娩後入院期間
分娩後入院期間は約5日です。帝王切開の場合は、分娩後約7日です。
(2)出産費用について
自然分娩にかかる費用として、約50万円(非課税)~約60万円(非課税)ご用意ください(内容は下記を参照してください)。
時間内 | 時間外 | 時間外休日・深夜 | |
---|---|---|---|
分娩料 | 100,000円(非課税) | 110,000円(非課税) | 120,000円(非課税) |
入院料(母体看護料) | 1日につき20,520円(非課税) | ||
新生児介護料 | 1日につき6,300円(非課税) | ||
新生児聴覚検査料 (平成29年12月1日より実施) |
7,000円(非課税) | ||
その他(材料費等) | 116,460円(非課税) | ||
産科医療保障制度掛金 | 12,000円(非課税) | ||
個室料 | 1日につき15,000円(非課税) |
- 帝王切開の場合は、一部保険適応になります(限度額適用認定証の申請をお勧めいたします)。
- お支払いは、退院日です。ただし、休日退院の場合は、後日、お支払いしていただきます。
- 出産育児一時金の直接支払制度に合意していただくと、500,000円を超えた料金のみお支払いしていただくこともできます。
- お産の方は、個室入院が基本になります。
- 当院で準備しているもの・・・寝衣、タオル、バスタオル、ティッシュペーパー、ドライヤー、赤ちゃんの衣類、体温計、赤ちゃんの体重計
(3)付き添いは不要です
入院中は助産師、看護師がお世話をいたします。
(4)分娩について
- 立ち合い分娩は、夫およびパートナーのみ可能です。
- 分娩間近になれば、LDR(陣痛・分娩室)へご案内します。
- 上のお子様と一緒に来院された場合は、立ち合いができません。
- 分娩中はカメラ・ビデオ等で撮影することはお断りしています。
(5)母児同室について
母乳育児推進と育児技術の習得のため、出産当日か翌日より母児同室とし頻回授乳をしています(開始時期は母児の状態により遅れることもあります)。 母乳確立、育児技術の習得はお部屋でスタッフがお手伝いさせていただきます。
(6)母乳について
頻回に授乳することにより乳房に刺激が加わり、お乳を出すホルモンが分泌され、乳腺の開通も良くなります。
(7)面会について
面会制限中ですが、個室で母児同室をしているお母さんと赤ちゃんとの面会を開始しました。
- 個室で母児同室を実施しているお母さんと赤ちゃんとの面会
・時間:平日・休日 14時~18時30分 60分以内
・面会者:夫・パ-トナ-・祖父・祖母のみ 3名まで
- 大部屋でディル-ムまで移動できる患者
・1週間に2回程度 14時~18時30分 30分以内
・面会者:3名まで(小学生以下は不可)
(8)保健指導について
保健指導(沐浴・退院)は助産師・看護師が行います。
(9)両親学級について
当院で分娩される夫婦で受講可能です。毎月第2土曜日13時30分~16時30分、本館4階会議室で開講しています。申し込みは産婦人科外来 指導室の助産師に声をかけてください。
電話での受付はしておりません。
**2025年1月からは、午前の部がなくなり、参加枠を増やし、午後の部のみに変更となります。
午後1時30分~4時30分で開講します。

(10)早期産などの対応について
NICUを併設しておりますので、早期産・低出生体重児・治療を必要とする赤ちゃんへの対応が可能です。
(11)盗難防止について
入院の際、貴重品、多額の現金などは持たないようにしてください。また、貴重品ロッカーをご利用ください。
(12)産後2週間健診について
・当院で出産されたお母さんのからだと心の健康状態を確認するために2週間健診を実施しています。
料金は5,000円(非課税)で予約制です。(産後用健康診査受診票がある場合は、上限5,000円まで公費負担。産後用健康診査受診票がない場合は、自己負担5,000円となります。)
(13)聴覚検査自動ABRについて
・入院中、赤ちゃんのきこえ(聴覚)の障害の早期発見のために、任意で検査を実施しています。
・料金は7,000円(保険給付外、非課税)です。(新生児聴覚検査受検票がある場合は、費用の一部公費負担)
(14)拡大新生児マス・スクリーニング検査について
先天代謝異常症など20種類以上の病気の早期発見・早期治療に繋げるために公費で実施していた検査に加え、6,000円の検査費用がかかっていた重症複合免疫不全症(SCID)、脊髄性筋萎縮症(SMA)の2疾患の検査についても公費で検査が実施できるようになりました。
地域の医療機関の先生方へ
- 令和5年度
紹介率 84.9% / 逆紹介率 32.1%
地域の先生方からのご紹介のおかけで、母体搬送受け入れ数・悪性腫瘍症例数・婦人科手術数ともに徐々に増加しております。分娩数は今後も産科病床の物理的制約のため分娩制限をせざるを得ない状況ですが、今後、産科・婦人科とも可能な限り受け入れたいと考えております。また、今後はできるだけ逆紹介させていただきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。