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腎臓内科

Department of Nephrology

科の特色・紹介

腎臓内科は、血尿・蛋白尿などの軽微な尿検査異常から、急性腎障害(AKI: Acute Kidney Injury)、慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、透析を必要とする末期腎不全まで、腎臓に関わる幅広い疾患を診療する内科です。
最近ではSGLT2阻害薬をはじめとする新しい薬剤が使用できるようになり、より積極的な慢性腎臓病の治療が行えるようになりました。

当院では、腎生検を含めた腎疾患の専門的診断、慢性腎臓病の進行抑制、急性腎障害や重症腎不全への入院治療、血液透析・腹膜透析を含む腎代替療法まで、包括的な腎疾患診療を行っています。地域の基幹病院としてかかりつけ医と連携し、患者さんに合った適切な医療を提供することを目指しています。特にCKD検査教育入院、慢性腎臓病療養外来、腹膜透析外来、腎代替療法選択外来などでは、医師・看護師・栄養士などからなるチーム医療で、患者さんの病状や生活に合った診療を行っています。

対象疾患

  • 急性腎障害(AKI
  • 慢性腎臓病(CKD
  • 糸球体腎炎・間質性腎炎
  • ネフローゼ症候群
  • 全身疾患(高血圧、糖尿病、膠原病、血液疾患など)に伴う腎臓病
  • 常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)、Alport症候群、Fabry病などの遺伝性疾患

※尿潜血や尿蛋白などの検尿異常、浮腫、高血圧、電解質異常も診療しております。

診療実績

令和7年度

入院

延患者数 新入院患者数 一日平均患者数 平均在院日数
6,846人 689人 18.8人 10.5日

外来

延患者数 新外来患者数 一日平均患者数
10,546人 439人 43.8人

    紹介患者数(地域連携)

    令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 令和7年度
    紹介患者数(地域連携)(人) 385 356 415 470 388

    腎生検件数

    令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 令和7年度
    腎生検数(人) 88 93 69 100 71

    透析腎関連件数

    令和3年 令和4年 令和5年度 令和6年度 令和7年度
    血液浄化療法件数(件) 4,441 4,391 4,403 4,490 4,534
    内シャント手術件数(件) 110 112 120 97 106
    内シャント狭窄拡張術(件) 69 77 157 168 178
    血液透析導入患者数(人) 64 83 76 87 69
    腹膜透析導入患者数(人) 14 10 4 8 7

    ※血液浄化療法(血液透析、腹膜透析、血漿交換、LDLアフェレーシスなど)を病状に応じて適切に実施しています。
    ※シャント外来では定期的なシャントエコーで状態を評価し、狭窄や閉塞などがないかを診察しています。
    狭窄や閉塞などが疑われる場合には、院内でシャントPTAや手術を速やかに実施できる体制を整えています。

    お知らせ

    地域の医療機関の先生方へ

    • 令和7年度
      紹介率 95.0% / 逆紹介率 215.4%

    充実した専門医、若いモチベーションの高いスタッフでさらに新しい体制を構築しています。専門性の高い専門医療を目指した診療をモットーに、綿密に病診連携を展開していきます。患者さんの診断、治療など、情報交換を密にして皆様の患者さんの診療に協力したいと存じます。また日ごろ様々な場所で、研究会、情報交換会などを開催し、最新の腎臓内科診療の情報提供を心がけています。腎臓に関わるご質問・ご相談があれば、遠慮なくいつでもご連絡ください。

    病診連携パスについて

    大阪赤十字病院腎臓内科 CKD連携パスを運用させていただいております。

    CKD(慢性腎臓病)とは、既にご存じの先生方も多いとは存じますが、

    1. 蛋白尿を始めとする尿所見異常など腎障害の存在が明らか


    2. 糸球体濾過量(GFR)が60mL/min/1.73㎡未満


    1,2いずれかまたは両方が3ヶ月以上持続するものと定義されています。原疾患を問わないため、原発性の糸球体腎炎だけでなく、メタボリックシンドロームを始めとする生活習慣病による腎障害も含まれます。これが注目されるようになったのは一つには透析患者数の増加ですが、それ以外にもCKDは心血管疾患の危険因子となることが分かってきたからです。日本腎臓学会からもCKD診療ガイドが発行され、非専門医と専門医の連携が協調されています。その一環としてこの度連携パスを作成いたしました。下記にあてはまる患者様がおられましたら、是非一度ご紹介ください。

    1. 0.5g/gクレアチニン以上または2+以上の蛋白尿

    2. 蛋白尿と血尿がともに陽性(1+以上)

    3. 40歳未満 推算GFR(eGFR)60mL/min/1.73㎡未満

    4. 40歳以上 推算GFR(eGFR)45mL/min/1.73㎡未満

    紹介時に栄養指導の必要性、今後の診療形態(連携での診察、当院のみでの診察)などご要望も記載いただければと存じます。連携に当てはまる患者様にはフォロー用紙をお付けしてお返ししたいと考えております。

    まず想定としておりますケースとしては、検診異常の患者様慢性疾患で先生方を定期受診しておられる中で腎機能が低下している患者様などです。推算GFRを見ていただきますと分かりますが、特に高齢の患者様では血清クレアチニンからうける印象よりも腎機能は低下しております。腎臓病は進行してからでは治療が難しく、透析導入を余儀なくされます。しかしかつては「腎臓病は治らない」と考えられていましたが、早期に発見し治療すれば治癒させることも不可能ではなくなってきています。

    また、CKDの早期発見には尿検査が非常に重要ですので、高血圧症、糖尿病、心臓病などの患者様には是非一度尿検査(尿定性・尿沈渣)をお願いいたします。「腎機能は悪くないし、尿蛋白ぐらいで紹介するのもな」と考えてしまいがちですが、その時期こそ専門医の介入が必要になります。尿蛋白量の推定には一回尿で尿蛋白定量と尿クレアチニン定量をオーダーしていただければ計算可能です。

    連携パス用紙の使い方について

    • 当院再診ごとに新しい用紙を発行する形式です。当院で施行した血液・尿検査は時系列表示で印刷したものをお付けします。
    • 下半分は貴院受診時にご使用いただけるよう経過表をお付けしました。記載は必須ではありませんが、血圧・体重だけでもご記載いただくと大変参考になります。また血液・尿検査は普段の先生方の頻度や項目で構いません。必要な場合、こちらからも依頼させていただきます。
    • 当院再診時には検査データ(時系列があればそれも)処方内容・ご記載いただている場合は連携パス用紙を患者さんにお渡しください。当院で電子カルテに取り込みお返しします。コメントの手書きがお手間な場合、別紙にご記載いただいても結構です。

    用紙にも書かせていただいておりますが、バリアンスが発生した場合は早めに受診させていただきますようお願いいたします。

    連携パスを使用することにより、CKD診療の標準化を図ることが出来ますし、透析導入ぎりぎりまでかかりつけ医に診療していただけることを期待しています。

    CKD重症度分類CKD診療ガイド2024.png

    CKD連携パス.pdf

    CKD啓発パンフレット.pdf

    CKD(慢性腎臓病)検査教育入院・腎臓病療養外来について

    CKD検査教育入院では、慢性腎臓病の進行予防を目的として、6日間の入院プログラムを行っています。入院中は、腎機能や合併症の評価に加え、腹部CT検査、心エコー検査、ABI検査(足関節上腕血圧比)などにより、心血管疾患や脳血管障害につながる血管合併症の早期発見にも努めています。看護師・管理栄養士・薬剤師などが参加するチーム医療で、患者さんがご自身の病状や治療の意味を理解し、日常生活の中でよりよく自己管理できるよう支援しています。

    腎臓病療養外来では、慢性腎臓病の進行を抑えるために、外来通院の中で看護師や管理栄養士による療養指導を行っています。食事療法、血圧管理、服薬、生活習慣などについて、患者さんの病状や生活背景に合わせて継続的に支援し、腎機能の悪化予防や合併症の管理につなげています。入院での検査教育が難しい患者さんや、退院後も継続した支援が必要な患者さんに対しても、外来で療養をサポートしています。

    ご希望される初診の患者さんは、かかりつけ医の先生と相談し、紹介状を書いてもらって受診してください。

    実際のCKD検査教育入院プログラムは下記のようになります。
    患者さん用クリニカルパス

    当院におけるCKD検査教育入院の治療成績

    検査教育入院を受けられた患者さんの治療成績は、下図のとおりです。CKD検査教育入院を行うことにより、腎臓病の悪化スピードを抑制できる可能性が示されました。

    1.jpg2.jpg

    多発性のう胞腎外来について

    常染色体優性多発性嚢胞腎外来(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease: ADPKD)は両側腎臓に多数ののう胞が進行性に発生・増大する疾患です。60歳までに約半数が末期腎不全に至ります。また、高血圧や肝のう胞、脳動脈瘤など多彩な合併症を生じます。

    これまでADPKDに特有の治療法はなく、高血圧の治療など一般のCKDに準じた治療が行われていました。しかし、トルバプタンがのう胞の増大と腎不全の進行を抑制することが報告され、日本では20143月よりトルバプタンによる保険診療が可能となりました。

    ADPKDの進行を抑制する治療が可能となったため、早期診断と早期治療がより重要となりました。トルバプタンによる治療は使用経験が豊富な腎専門医が行うことが望ましく、多彩な合併症の管理にも専門医の知識が必要となります。

    そのような背景から、当院ではできるだけ多くのADPKD患者さんに専門的な医療を提供するため、多発性嚢胞腎外来を開設しています。当院では腎専門医によるADPKDの診断、難病申請、トルバプタンによる治療が可能です。家族歴や画像検査などからADPKDが疑われた場合は、かかりつけ医を通じてご予約下さい。

    ADPKDの腎エコー画像

    画像1.jpg

    ADPKDに合併した脳動脈瘤

    画像2.jpg

    多発性のう胞腎外来

    担当医:八幡 兼成(水)、古賀 健一(木)

    腎代替療法選択外来について

    慢性腎臓病が進行すると、腎臓の働きを補う治療(腎代替療法)が必要になることがあります。
    腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植などがあります。それぞれに特徴があり、生活や希望、医学的な状態に合った方法を選択することが大切です。当院では、資料やDVDを用いて各治療についてわかりやすく説明し、患者さんが大切にしていることや生活背景も踏まえながら、ご本人やご家族と一緒に今後の治療方針を考えていきます。

    当院で研修を考えておられる学生・研修医の皆さまへ

    当院では、下記のような研修を通じて、腎疾患を深く、幅広く診療できる腎臓内科医を目指すことができます。

    1. 腎生検・病理診断に基づいた腎疾患診療を学べます
    当院では、病理診断に基づいた治療方針の決定を重視しており、多くの腎生検を行っています。
    病理検査室の協力により蛍光抗体含め早ければ2日で病理組織が揃います。病理医との合同カンファレンス前には、担当医が病理組織のスケッチを行い、それをもとに科内で事前に所見を検討しています。これにより、病理所見を読み、臨床経過や検査所見とあわせて診断や治療方針を考える力を養うことができます。

    2. 豊富な症例と充実した診療科連携を通じて、腎疾患・CKD診療を学べます
    腎臓内科の研修では、幅広い腎疾患を数多く経験し、診断から治療、長期管理までを継続して学ぶことが重要です。
    当院は地域の基幹病院として多くの診療科を有し、非常に多くの患者さんを診療しています。そのため、慢性腎臓病をはじめ、膠原病、血液疾患、悪性腫瘍、感染症などに伴う多様な腎疾患を経験できます。
    また、日常的にリウマチ・膠原病内科や血液内科など他科からの相談も多く、他科と連携しながら全身を診て腎疾患を考える力を養うことができます。

    3. 教育機会が豊富で、症例報告や論文執筆を経験できます
    当院は症例数が多いため、他院では経験する機会が少ない貴重な症例を診療することもあり、研修医の間から国内外の学会や雑誌に報告してもらっています。
    学会発表において優秀演題賞を受賞した報告も複数あり、日常診療で経験した症例を深く振り返り、医学的に考察する力を養うことを大切にしています。
    初期研修医はローテーションの終わりに学会形式のプレゼンテーションを行ってもらいます。症例の経過を整理し、文献を調べることを通じて、学会発表や論文執筆につなげる経験を積むことができます。また、週に1回の抄読会や研修医・後期研修医向けの講義も行っています。

    4. 腎代替療法・アフェレーシス療法をバランスよく学べます
    当院では透析導入件数が多く、血液透析や腹膜透析などの腎代替療法について、保存期慢性腎臓病から腎代替療法の選択、透析導入、導入後の管理までを学ぶことができます。
    また、多くの腹膜透析患者さんを診療しており、腹膜透析外来を担当することで、透析患者さんの全身管理や、出口部管理など腹膜透析に特有の管理について学ぶことができます。
    他科症例も含めて、血漿交換療法などのアフェレーシス療法も積極的に行っており、腎臓内科に求められる幅広い血液浄化療法を経験できます。

    5. 透析医療に必要な手技を経験できます
    当科では、シャント手術やシャントPTAを積極的に行っており、実際の治療に携わることで、透析医療に必要な知識や技術を実践的に習得できます。
    内科診療に加えて、バスキュラーアクセスの評価や治療にも関わることで、透析患者さんを総合的に診る力を養うことができます。


    見学を希望される学生・研修医の方は、採用ページの見学応募フォームを通じてお気軽にご連絡ください。

    学会発表・論文

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