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心臓血管外科

Department of Cardiovascular Surgery

科の特色・紹介

心臓血管外科では1994年1月の開設以来、成人の心臓・血管疾患の外科治療を行ってきました。対象となる疾患は【対象疾患】の項目に示していますのでご参考にしてください。

本年、心臓血管外科はスタッフの変更があります。主任部長の中山は、長年大阪赤十字病院にお世話になりましたが、2022年年3月末で定年退職となります。1994年1月に大阪赤十字病院での心臓血管外科開設にあたり当院に赴任して以来、途中で約5年、高松赤十字病院への移動はありましたが、2006年に帰院してからでも16年間、合計28年間日本赤十字社にお世話になりました。本当にありがとうございます。今後は現在、天理よろず相談所病院 心臓血管外科部長である岩倉 篤 先生が、4月より新しい心臓血管外科チームを牽引していきます。また、野中 道仁 医長は2月末で退職し、後任として石上 雅之助 先生が赴任されます。髙崎 直 医師は3月末をもって医局人事で移動となり、4月からは岩倉、石上、辻の3人体制で新たな心臓血管外科として活動していきます。今後共よろしくお願いいたします。

また、これまで毎月第2金曜日、午前外来では関西医科大学総合医療センター 血管外科の駒井 宏好 教授に非常勤職員として末梢血管疾患専門外来を担当していただいていましたが、駒井先生の外来は2022年3月の第2週を持って終了いたします。駒井先生、長い間ありがとうございました。今後も継続して末梢血管疾患につきましては循環器内科、心臓血管外科で診療させていただきますので、お困りの際にはいつでもご相談ください。

通常の外来はもちろん、心疾患や動脈瘤で何かご相談がある時や、セカンドオピニオンをご希望の場合などは、いつでもお気軽に患者総合支援センター、医療連携課へご連絡下さい。

当科は心臓血管センターとして循環器内科と週1回ハートカンファレンスを合同で行い緊密な連携を保って診療をおこなっております。心疾患はもとより末梢血管疾患に至るまで内科、外科の両面から治療法を検討し、患者さんにとって安全で最も侵襲の少ない効果的な治療法を選択しています。手術について悩んでおられる患者さんにはゆっくりとご説明し、しっかりしたインフォームド・コンセントをさせていただいた上で、どの治療法が一番いいのか選んでいただくようにしています。心臓血管外科の手術にはリスクの高い手術もあります。手術を受けたことによって得られるメリット、手術に伴う危険性、手術を選択しなかった際の予後や起こりうる危険についてしっかりとご理解頂いて、一緒に治療法を考えていきます。患者さんにも積極的に治療に参加していただきたいと考えています。

大阪赤十字病院はすべての診療科を有する総合病院であります。種々の合併症、併存疾患をお持ちの患者さんにとっては、総合的な治療を受けることが可能であり、心強い存在になれると確信しております。近年患者さんの高齢化とともに、心臓以外の疾患も有する患者さんが増加しつつあります。そのような時にも他科とも連携して治療にあたらせていただきますので、ご安心ください。

当科では2010年1月より日本成人心臓血管外科手術データベース(JACVSD)機構に参加し、日本全国規模での心臓手術のデータベース作成に協力しています。活動の要旨についてはこのホームページに掲載しているJACVSDの資料を参考にしてください。データベース作成のため、主として検査データ、手術術式、手術経過などのいわゆる個人情報を使用させていただいております。個人情報保護には充分配慮しておりますのでどうか活動の主旨をご理解いただき、ご協力いただけますようお願いいたします。

また、2011年1月より外科系の専門医制度と連携した症例データベース機構(National Clinical Database)もスタートいたしました。こちらの活動についてもご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。

2013年7月より、京都大学医学部 心臓血管外科関連病院グループが始めました心臓血管外科手術患者さんの治療経過、予後調査活動(ADVANCE-Kyoto)に参加しました。心臓外科手術を受けられた患者さんの長期予後についても調査し、新たな知見が得られることを期待しています。ご協力をよろしくお願いいたします。また、循環器内科とも協力して他施設共同研究にも参加しています。多くの患者さんのデータを解析することにより、今後の治療方針決定に際し日本初のエビデンスが発信できればと考えています。いずれの調査活動においても個人情報の取り扱いには十分注意し、個人が特定されて患者さんにご迷惑のかかることのないよう細心の配慮をおこなっています。これらの活動について何かご質問のある方は担当医にお尋ねください。

各種調査を開始して以来、多くの患者さんにご協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも症例調査にご協力よろしくお願いいたします。

対象疾患

次のような疾患に対して手術治療をおこなっています。

  • 虚血性心疾患:狭心症、心筋梗塞、急性心筋梗塞に伴う合併症(心室中隔穿孔、心破裂、急性僧帽弁閉鎖不全)、虚血性僧帽弁閉鎖不全症、左室瘤
    冠動脈バイパス手術では人工心肺装置を用いない心拍動下冠動脈バイパス手術(OPCAB)を第一選択としていますが、患者さんの重症化、高齢化に伴い安全、確実な手術のために人工心肺装置の補助下での冠動脈バイパス手術も増加しています。
  • 弁膜症:各種弁の狭窄症、閉鎖不全症、感染性心内膜炎
    僧帽弁閉鎖不全症に対しては弁形成術を第一選択としています。また弁膜症に伴う心房細動には積極的に不整脈手術(メイズ手術)をおこなっています。メイズ手術を行う際には、ほぼ全例で心房内血栓予防のため左心耳切除も倂施しています。若年者の大動脈弁閉鎖不全症に対しては、今後は積極的に形成術をおこないたいと考えています。
  • 大動脈疾患:急性大動脈解離、胸部および腹部大動脈瘤、大動脈炎症候群
    平成23年1月より胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療を開始いたしました。今後は患者さんの状態に応じて外科手術、カテーテル治療の適応を判断し、治療をおこないます。胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤の破裂に対して緊急ステントグラフト治療もおこなっています。
  • 先天性心疾患:体重30 kg以上の成人型先天性心疾患(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、エプスタイン病、動脈管開存症など)
  • 末梢血管疾患:閉塞性動脈硬化症、末梢動脈瘤など
    当院では静脈瘤は形成外科で対応させていただいています。また深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症につきましては薬物療法が中心となりますので循環器内科に御相談下さい。 閉塞性動脈硬化症に対しては、循環器内科とも協力し、外科的バイパス治療、内科的カテーテル治療の両面で検討させて頂いています。

近年の重症下肢虚血の患者さんの増加に対応するべく、関西医科大学総合医療センター 末梢血管外科の駒井 宏好 教授をお招きし、平成26年2月より、月に1回第2金曜日の午前中に末梢血管疾患専門外来を開設しています。末梢血管疾患専門外来ですが、重症下肢虚血症に限らず、広く下肢の血流障害でお困りの患者さんに受診して頂ければ幸いです。詳しくは患者総合支援センター窓口にお問い合わせください。 

診療実績

令和2年度

  • 入院
延患者数  新入院患者数 一日平均患者数 平均在院日数
2,265人 92人 6.2人 19.3日

  • 外来
延患者数 新外来患者数 一日平均患者数
1,610人 52人 6.7人

昨今、医療の現場において情報公開の重要性が取り上げられています。私たちもホームページ上でお知らせしていますように、日本成人心臓血管外科手術データベース(JACVSD)機構と外科系の専門医制度と連携した症例データベース機構(National Clinical Database )に参加し、正確な医療情報の構築、情報開示に努めています。患者さまに正確な情報をお伝えするのも、われわれ医師の仕事と考えており、以前よりホームページ上で当科の診療実績を定期的に報告しています。

今回の報告では令和3年1月より令和3年12月末までの1年間の手術成績についてお知らせします。

〈 令和3年1月から12月末までの診療実績 〉

令和3年の一年も大阪赤十字病院としては、新型コロナ感染症対策に明け暮れた1年でした。みなさんもご存知のように、第3波から第5波までの感染者急増に対応し、外来、入院、救急、手術と注意深い対策を行いながら診療を継続してきました。令和3年秋から少し落ち着いたかと思いましたが、また現在オミクロン株が猛威をふるっています。手術数もその影響を受け、コロナ感染症以前の水準までは回復していません。

令和3年1月から1年間の心臓・大血管手術症例数(腹部大動脈瘤を含む)は、114例でした。奇しくも昨年と同数です。 症例の内訳は虚血性心疾患が12例、弁膜症が40例、胸部大動脈瘤が28例、その他の開心術が5例、腹部大動脈瘤が29例でした。そのほか末梢血管疾患に対する手術が7例ありました。この分類では患者さんの重複はありません。

以下、疾患別に報告していきます。

虚血性心疾患ですが、同期間の単独冠動脈バイパス手術は11例でした。冠動脈バイパス手術は全国的にも減少傾向にあり、この傾向はPCIと言われるカテーテルインターベンションでも同様です。降圧剤、スタチン、抗血小板剤の普及による予防医学の進歩、薬剤溶出ステントなどのデバイスの進化による再狭窄の低下が大きな要因と思われます。うち、オフポンプCABGが1例、人工心肺装置補助下でのCABGが10例です。患者さんの病状、冠動脈の性状により手術術式を使い分けています。その他1例の急性心筋梗塞に伴う心室中隔穿孔を経験しました。この12例中2例の方が術後30日以内に亡くなられました。今後も手術成績を改善するよう努力してまいります。

弁膜症を主体とする手術は、40例でした。このほかにも胸部大動脈瘤手術と同時におこなった弁手術が3例ありました。

40例の中で手術部位別にみると、大動脈弁置換術は25例(生体弁20例、機械弁5例)、僧帽弁置換術は生体弁11例、機械5例でした。僧帽弁形成術は9例、三尖弁輪形成術は6例おこないました。慢性および発作性心房細動に対するメイズ手術と同時にデバイスを用いた左心耳閉鎖を行った症例は14例でした。左心耳閉鎖による脳梗塞の予防効果については今後も経過観察を予定しています。また、同時に冠動脈バイパス手術を施行した方は5例でした。この40例中1名の方が術後30日以内に亡くなられています。

社会の高齢化に伴い高齢者の大動脈弁硬化症、大動脈狭窄症が増加しています。人工心肺装置を用いた大動脈弁置換術がGold standardですが、外科的手術のハイリスク例には経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)という選択肢もでてきました。当院でもTAVRに対応すべく今年中にハイブリッド手術室を新設する予定としています。

胸部大動脈瘤手術は、人工血管置換術が20例、胸部ステントグラフト治療が8例の計28例でした。

疾患別に見ると急性A型大動脈解離に対する人工血管置換術が7例あり、いずれも緊急手術でした。真性動脈瘤に対する上行大動脈置換術、弓部大動脈置換術は11例でした。また、大動脈弁閉鎖不全症を伴う大動脈基部拡大に対し、自己大動脈弁を温存した自己弁温存基部置換術(David手術)を2例でおこない良好な結果を得ています。

腹部大動脈瘤に対する治療は29例でした。開腹人工血管置換術は5例で、24例はステントグラフト留置術で治療しました。腹部大動脈瘤破裂の緊急手術は3例あり、すべてステントグラフトで治療しました。

以上、令和3年1月から12月末までの主な疾患の治療成績を報告しました。今後も治療成績報告は定期的に更新していきます。さらに成績向上を目指しスタッフ一同努力いたしますので、よろしくお願いいたします。

年次別手術数集計表

お知らせ

地域の医療機関の先生方へ

  • 令和3年度
    紹介率 93.7% / 逆紹介率 904.1%

当院は平成15年には、心臓血管外科専門医機構から基幹病院に認定されました。また平成23年1月より腹部ステントグラフト留置術、胸部ステントグラフト留置術の実施施設の認定も受けております。平成30年4月より新専門医制度が始まりました。当院は外科専門医研修の基幹施設として研修プログラムを整備しています。既に何人かの専攻医が研修を開始しています。心臓血管外科専門医はサブスペシャル分野として、これからプログラムが認定されるところです。

当科では循環器内科と合同で、地域医療の先生方を対象として定期的に勉強会も開催しております。今はコロナ禍で開催が難しい状況となっていますが、いずれ機会がありましたらご参加ください。また、今後とも病病連携、病診連携を大切にしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

外来診療の水曜日、金曜日午前中は初診・紹介患者さん外来としております。手術適応、治療法、セカンドオピニオンなどで何かお困りの症例がありましたら、直接または患者総合支援センターを通じご相談下さい。

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