各がんの解説EXPLANATION

腎がん

  

腎がんについて

腎臓がんは血液を濾過して尿を作る腎臓という臓器に発生する腫瘍で、50歳から70歳の中高年の方に多い悪性腫瘍です。血尿やお腹の違和感で見つかることもありますが、症状が出にくく、最近では検診などの超音波検査やCT検査で偶然に発見される患者さんが増えてきています。

2010年の日本での罹患者数は14,886人と推定されており、2017年では年間4,712人が亡くなられていてがんによる死亡率全体の1%を占めます。

今後、年々増加することが予想されており、2020年には約6000人の方が腎細胞がんで亡くなられることが危惧されています。一般に男性が女性に比べて約2倍、この病気に罹りやすいとされています。

腎がんの診断について

腎がんの疑いがある場合には、可能であれば造影CT検査を行って診断します。多くの場合は造影CTで診断を確定しますが、MRI検査など他の検査を追加する場合もあります。

腎がんの治療について

腎がんが転移していない場合

がんが腎臓の外に転移していなければ、腫瘍のある側の腎臓を手術で取り除くことで、治る見込みは十分にあります。腫瘍が小さく腎臓から突出している場合には、腫瘍部分を周囲の正常組織をつけたまま取り除き、腎臓の残りの部分は残す(腎部分切除術)が推奨されています。治療効果は遜色なく腎機能を温存できる利点があります。

手術の方法としては、腎臓の摘出はほとんどの症例が腹腔鏡手術で行われます。従来の開腹手術と比較して、より小さな傷で行えるうえに安全性および手術後の予後についても遜色ないとされています。

また腎臓の摘出だけでなく、腎臓の部分切除でも、ほとんどの症例で腹腔鏡手術行っています。さらに、2017年より施設認定を取得し、現在部分切除術の多くはロボットを使用して行っています。
治療法の選択については、腫瘍の特徴(位置や大きさ、進行の程度)や患者さんの体力などを考慮して決定しますので、担当医とよくご相談ください。
尚、がんが腎臓内だけに限られている場合は、疾患特異的(がん以外の要因での死亡を除いたもの)5年生存率は90%以上です。

腎がんが転移している場合

腎がんが離れた部位に転移することを遠隔転移と呼びますが、この際、肺に見つかることが多いです。腎がんの場合は、転移していても腎臓の腫瘍を手術で取り除いてから転移した腫瘍の治療をした方が治療成績が良いというデータがあったため、当院では積極的に手術を行っていました。新しい薬物治療が次々に出現して転移した腎がんで手術するメリットに関しては異論がありますが、転移した病変が小さい場合は現在でも手術を行っております。

転移した腫瘍に対して、従来はインターフェロンなどの免疫療法が行われていて、その有効率は10〜20%でしたが、近年では分子標的薬といわれる新しい抗がん剤が開発されて治療成績がよくなっています。

この分子標的治療薬というのは腫瘍の増殖因子を阻害する薬です。がん細胞も殺すのですが、主にがんに血を流している血管に作用して抗がん作用を発揮します。副作用としては高血圧・疲労・下痢・皮膚炎などの可能性がありますので、副作用とうまくつきあって、できるだけ長く薬を飲み続けることが肝要です。

さらに最近は免疫チェックポイント阻害剤という新しい薬物治療が可能となり、治療法の選択肢は増えてきています。従来の抗がん剤と異なる副作用が見られるため、このお薬も副作用への対応が非常に重要です。
当院では分子標的薬も免疫チェックポイント阻害剤もすでに多くの治療を経験していますので、どうぞ安心してご相談ください。

腎がんの生存率について

がん登録からみたステージ別の生存率です。

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