各がんの解説

急性白血病

急性白血病について

全ての血球(赤血球、白血球、血小板)は骨髄で造血幹細胞から作られています。 急性白血病は骨髄の中にある幼若な血液細胞(造血幹細胞がわずかに分化した段階の細胞)が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患です。白血病細胞が骨髄の中で増えてくる結果、骨髄の本来の機能である造血能(=血球を作る働き)が著しく障害されます。そのため血液検査を行うと、正常の血球(赤血球、白血球、血小板)が減少し、白血病細胞を認めることがあります。発症の初期は特に症状はなく、進行して初めて症状が出てきます。出てくる症状としては、倦怠感、動悸、息切れといった貧血に伴う症状、肺炎や敗血症といった感染症に伴う発熱、あるいは血小板減少に伴う出血傾向などです。急性白血病は、大きく急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に分けられます。

急性白血病の診断について

血液検査の所見から白血病が疑われると判断した場合、骨髄検査を行って骨髄の中で白血病細胞が増加していることを確認することにより診断確定します。骨髄検査はまず患者さんにうつぶせ、あるいは横向けにベッドに寝ていただいて、検査を行う部位(骨盤部)の皮膚を消毒した後、局所麻酔をし、骨髄穿刺用の針を麻酔のかかったところから骨髄のある骨の中まで押しすすめ、骨髄液を吸引して各種の詳しい検査に出します。骨髄の中に骨髄球系の特徴を示す白血病細胞が20%以上ある場合は急性骨髄性白血病、リンパ球系の特徴を示す白血病細胞が25%以上ある場合は急性リンパ性白血病と診断します。

急性白血病の治療について

急性白血病の治療では複数の抗癌剤を使用する治療(多剤併用化学療法)を行います。最初に行う治療を寛解導入療法と呼びます。この治療によって完全寛解(血液検査や骨髄検査を行うと白血病細胞が認められない状態)が得られれば、地固め療法や維持強化療法へと治療を進めていきます(完全寛解が得られない場合はもう一度寛解導入療法から治療をやり直します)。様々な治療プロトコールが提唱されていますが、当科では主にJALSGのプロトコールやMD Anderson cancer centerの作製した治療プロトコール(hyper CVAD/MA療法)に準じた治療プロトコールを選択しています。また高齢の患者さんや合併症をお持ちの患者さんで標準的治療プロトコールの実施が難しい場合には、治療強度を弱めた治療法を選択する場合もあります。またフィラデルフィア陽性の急性リンパ性白血病やPML-RARα陽性の急性前骨髄性白血病では分子標的薬(前者はDasatinibやPonatinib、後者はトレチノインや亜ヒ酸)を用いた治療を行っています。
予後不良の特徴を持つ場合や抗癌剤に抵抗性の場合、初回治療で寛解となったものの再発してしまった場合などは、年齢や全身状態などの諸条件が許す場合には同種造血幹細胞移植術による治療を立案・ご提案する場合があります。
また、FLT3遺伝子の変異を有する急性骨髄性白血病の再発に対してFLT3阻害剤を用いた治療、急性リンパ性白血病の再発に対して分子標的薬(抗体薬であるイノツズマブやブリナツモマブ)を用いた治療を行っています。

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