院長のご挨拶

大阪赤十字病院院長 坂井 義治

 新型コロナウイルス感染症への対応を始めて1年2か月が経過しました(2021年6月1日現在)。この間、当院の発熱外来受診者は1,171名、PCR提出1,477名、PCR陽性率10.6%、救急救命センターでのコロナ対応患者は5,792名、PCR提出1,926名、PCR陽性率7.2%、陽性入院患者数246名(うち重症21名)でした。小規模な院内感染が数回あったものの、全職員の医療人としての職務に対する高い意識により、長期間の診療自粛や休止に至ることなく日常診療を維持してきました。外来受診あるいは入院された患者、ご家族、ご紹介いただきました医療者の皆様には御協力頂き心よりお礼申し上げます。 これまでの感染対策を緩めることなく、当院の基本方針を継続することにより、皆さまのご期待により一層こたえることのできる病院として、組織・職員ともにさらに発展・成長したいと思います。
以下に基本方針を紹介させて頂きます。

 1)質の高い急性期医療・高度な専門医療を提供します
令和元年11月より「循環器ホットライン」「脳卒中ホットライン」「小児科ホットライン」を救急隊へも公表させて頂き、重篤な患者さんの受け入れを図っています。また、当院は厚生労働省指定の「地域がん診療連携拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」であり、手術支援ロボットのダ・ヴィンチをはじめとする高度医療機器を配備し、外来化学療法のための「外来通院治療センター」を設け、がんに対する高度医療・集学的治療体制を整えました。さらに大阪府より指定された「地域周産期母子医療センター」「指定小児慢性特定疾病医療機関」「難病診療連携拠点病院」として、ハイリスク妊娠・分娩にも対応するとともに、難病にも対応できるよう力をいれています。

 2)地域との円滑な医療連携に努めます
当院は「地域医療支援病院」の指定を受け、地域完結型医療の中核を担ってきました。「患者総合支援センター」には入退院支援室、医療福祉相談室とともに地域医療連携室を設け、地域医療連携室が窓口となって病病・病診連携を構築してきました。数多くの病院・診療所に連携施設としてご協力を頂き、連携登録医は753名となっています。さらに「予約センター」「文書センター」を開設し、予約窓口の一本化と迅速な文書作成に努めています。当院は高度急性期病院としての使命を全うしていく所存ですが、そのためには連携病院・診療所の更なるご支援を欠かすことができません。連携医療機関のより一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 3)国内外の災害救護、医療救援に積極的に参加します
「大阪府指定災害拠点病院」「日本赤十字社国際医療救援拠点病院」としての責務を果たすべく「国際医療救護部」を設置し、毎年、医師、看護師など多くの多職種職員が国内外の医療救援活動に積極的に参加しています。

 4)医療人の育成に努めます
当院は「基幹型研修指定病院」であり、現在19名の初期臨床研修医が修練を受けています。初期研修を修了した専攻医も73名在籍し、上級医の指導の下にそれぞれ目標とする専門医を目指して研鑽しています。併設されていた大阪赤十字病院看護専門学校は、残念ながら令和5年に閉校となりますが、最後の卒業生が巣立つまでは「赤十字精神」の涵養に重点を置いた教育を継続致します。

 基本方針を紹介させて頂きました。これからも地域の皆さまのご期待に応えられるよう医療安全に配慮しつつ診療の質を高める所存です。