健診部長のワンポイントアドバイス

生活習慣病編

第1回 「上手な運動のこつ」

「肥満は万病のもと」と言われますが、特に関連の深いものが糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。

脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、アクアサイズ(水中運動)、軽めのジョギングなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。まず、手軽にできるウォーキングから始めてみませんか。運動の時間がまとめて取れない場合は、10分程度のウォーキングを1日数回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。仕事を持っている人でも、ひとつ手前の駅で降りて歩く、昼休みに歩く、夕食後(食後1~2時間後)に散歩がてら歩くなど、工夫してみましょう。最近は、坂道や階段を歩くスローピングも注目されています。坂道や階段は足腰にかかる負荷が大きいので、短時間で運動効果が期待できます。

肥満や高齢などが原因で足腰が弱っている場合には、浮力を利用したプールでのアクアサイズが適しています。水中運動の教室などを開いている施設に、相談してみましょう。また、筋肉量が増えると基礎代謝量(生命維持に必要な基本的なエネルギー消費量)が多くなり、エネルギー消費量も増えるので、脂肪をたくさん燃やすことができます。筋肉運動といっても、バーベルを持ち上げるような強い運動は必要ありません。先ほど紹介したスローピングや、テレビを見ながらの軽い腹筋や背筋運動、浅めの屈伸運動のくり返し、ダンベル運動など、いろいろな方法があります。

足や腕に適度の負荷をかけ、筋肉を維持することが目的なので、無理をせずに少しずつ続けましょう。

オプション検査編

第1回 「動脈硬化検査」
動脈硬化検査について

ABI検査とPWV検査は、手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査を行うことにより、動脈硬化(血管の老化など)の度合いや早期血管障害を検出することができます。

ABI検査で何がわかるのか?

ABI検査(足関節上腕血圧比)は、足首と上腕の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算したものです。動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。

動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると、足首の方がやや高い値を示します。しかし動脈に狭窄や閉塞があると、その部分の血圧は低下します。こういった動脈の狭窄や閉塞は、主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって、狭窄や閉塞の程度がわかります。ABIが0.9以下の場合、下肢への血流障害が疑われます。

PWV検査で何がわかるのか?

PWV検査(脈波伝播速度)は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。

腕と足の4か所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど、動脈硬化が進行していることを意味します。

ABI・PWV検査はどのように行うのか?

ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着します。ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化します。所要時間は5分程度です。

検査結果の見方

ABIの測定値が0.9以下の場合は、症状の有無にかかわらず動脈硬化が疑われます。下肢の比較的太い動脈が慢性的に閉塞し、足が冷たく感じたり、歩くとお尻や太腿の外側などが痛む「閉塞性動脈硬化症(ASO)」が進行すると、足先が壊死してしまうこともあります。下肢血管エコーや造影CT検査などを行って、動脈壁の状態をさらに詳しく調べる必要があります。

PWVの基準値は年齢とともに上昇しますが、測定値が基準値以上の場合は、動脈硬化が進行しており、くも膜下出血や、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなっていますので、喫煙、肥満などの生活習慣の改善や糖尿病、高血圧、高脂血症なの積極的な治療が必要となります。

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