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眼科

Department of Ophthalmology

科の特色・紹介

一人一人の患者さんの症状に応じた涙道、白内障、緑内障、網膜硝子体の専門医によるオーダーメイドな治療は、当院のような各専門医を擁する基盤病院の眼科ならではの診療体制であります。現在、7名の常勤医師とレジデント2名が外来診療を担当しています。

当科では、患者さんのかかりつけの診療所の先生方との連絡を緊密に取ることで、病診連携に努めております。また当科の基本方針として、

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という流れで診療を行っております。

対象疾患

  • 白内障 
  • 緑内障 
  • 裂孔原性網膜剥離 
  • 糖尿病網膜症
  • 網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫 
  • 加齢黄斑変性 
  • 黄斑円孔
  • 黄斑上膜などの網膜硝子体疾患 
  • 視神経炎をはじめ神経眼科一般 
  • 眼瞼下垂
  • 眼瞼内反 
  • 霰粒腫 
  • 翼状片 
  • 結膜弛緩 
  • 涙道疾患 
  • 斜視弱視治療など

(ア)白内障
白内障とは、水晶体 ( 眼の中のレンズ ) が、年を取るにつれて、白く濁ってくる病気です。白内障の手術とは、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを入れる手術です。

当科では、現在主流となっている超音波乳化吸引術を、ほぼ全例において行っております。当院では折りたたみ式の人工レンズを使っており、小さな傷口で手術が可能です。当眼科常勤医師全員が白内障手術に熟練しており、 患者さんの希望と病状にあわせて、日帰り手術も可能です。

また、小瞳孔や偽落屑症候群、ぶどう膜炎の合併や緑内障手術後など難易度の高い白内障手術にも対応可能です。

人工レンズを挿入する際に支えとなる水晶体嚢が脆弱な難症例に対しては、当院で開発した強膜内固定術も行っています。本術式は、国内外の学会において表彰され高い評価を得ています。従来と比べ、少ない負担で眼内レンズを挿入することが可能です。

適応症例においては、選定療養による多焦点眼内レンズの選択も可能です。

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(イ)緑内障
緑内障とは、眼圧 ( 眼の中の水圧 ) が異常に上がり、網膜の神経細胞が死んでいくために、視野 ( 眼の見える範囲、視界 ) が狭くなっていく病気です。 死んで失われた神経細胞は、2度と戻ることがないので、早い時期に発見し、進行・悪化をくい止めるのが緑内障治療の目標です。 最近は、眼圧を下げる目薬が多く開発され、緑内障の進行を遅らせることが出来るようになってきました。 眼圧が目薬で充分に下げることが出来ない場合には、眼圧を下げる手術が必要となります。

当科では、緑内障のタイプに応じて、線維柱帯切開術や隅角癒着解離術、マイトマイシンを用いた線維柱帯切除術やインプラント手術を行っております。

最近では、眼圧が正常でも緑内障と同じ症状が現れる正常眼圧緑内障とよばれる病気が多くなってきております。 しかし、正常眼圧緑内障とよく似た症状でも、正常眼圧緑内障ではなく網膜の神経に異常のある病気が数多くあり、 それらが正常眼圧緑内障の診断を非常に難しくしています。

(ウ)網膜硝子体疾患
網膜とは眼の底にある神経の膜で、カメラでいえばフィルムに相当します。 ここには様々な病気( 網膜硝子体疾患 )が発症し、視力低下や場合によっては失明の原因となります。我々はこれら網膜硝子体疾患を従来の汎用的な検査に加え、最新式の光干渉断層計( OCT )などを用いて的確な診断、 治療 ( レーザーや硝子体注射や手術など ) を行っています。

以下に、代表的な網膜硝子体疾患を挙げます。

・裂孔原性網膜剥離
何らかの原因で網膜に孔が開き網膜剥離を生じ、放置すると失明します。手術により孔を閉じて、網膜を元の位置に復位します。

・糖尿病網膜症
進行すれば網膜の中央(黄斑部)の浮腫、網膜剥離、眼内の出血、難治な緑内障などが生じることがあります。 病状を安定させるためにレーザーを眼底に当てます。また手術で黄斑部の浮腫をひかせ、網膜剥離等の原因となる増殖膜を取り除きます。

・網膜静脈閉塞症
網膜の静脈が、多くは動脈硬化が原因で閉塞し、網膜に出血する病気です。 視力が不良であれば手術により視力の改善を図ります。場合により眼底にレーザーを当てることもあります。

・ブドウ膜炎
眼内の炎症で、さまざまな原因で起こります。ステロイド剤の点眼・注射、 内服が効くこともありますが、場合により手術を行うこともあります。

・黄斑円孔
網膜の中央(黄斑部)に孔が開き視力が低下します。手術により孔を閉鎖します。

・黄斑上膜
網膜の中央(黄斑部)の上に膜が張り、視力が低下したり物がゆがんで見えます。手術により膜を取り除きます。

・黄斑変性症
加齢変化を中心に様々な要因で網膜の中央(黄斑部)に変性が起こる病気です。詳しい検査で診断して硝子体内薬物注入を中心とした治療を行っています。

(エ)涙道疾患
涙が眼から鼻に抜ける道を涙道といい、その道が詰まってしまうと涙道閉塞、炎症を起こすと涙嚢炎・涙小管炎といった涙道疾患が生じます。

当科は内視鏡を用いた涙道疾患の手術治療を多数行っています。
以下に、代表的な涙道疾患を挙げます。

・涙道閉塞(鼻涙管閉塞・涙点閉塞・涙小管閉塞)
涙の通り道が詰まってしまうと、涙がたまる・目やにが出る・目じりがただれるといった症状が出てきます。涙道内視鏡を用いた涙管チューブ挿入術により、治療しています。

・涙嚢炎
涙道閉塞の状態が長く続いていると、目やにが増える・目頭のあたりが赤くはれる・膿がたまるといった症状が出てきます。涙嚢炎は、鼻内視鏡を用いた涙嚢鼻腔吻合術(鼻内法)で治療しています。内視鏡を用いた最新で侵襲の少ない手術を行っており、顔面に傷を残すことなく治療することができます。

・涙小管炎
涙小管に細菌感染が起こると、目やにが長期間治らない・目頭が赤くはれるといった症状が出てきます。涙道内視鏡を用いて治療しています。

その他の涙道疾患に対しても、通水検査・涙道内視鏡検査・鼻内視鏡検査・CT・MRIなどの精密検査を行い、総合的に判断した上で最良の手術方法を選択しています。

内視鏡技術により涙道疾患の治療が患者さんの負担の少ない方法で行うことが可能になっています。『涙が出て困る』、『目やにが治らない』といった症状があれば涙道疾患の可能性がありますので、当科に受診ください。

診療実績

令和4年度

入院

延患者数  新入院患者数 一日平均患者数 平均在院日数
4,179人 1,140人 11.4人 4.0日

外来

延患者数 新外来患者数 一日平均患者数
19,271人 2,390人 79.3人

お知らせ

手術日に伴う診療について

平成26年10月より、手術日は平日の毎日となりました。月曜から金曜まで、平日は同様の診療体制となります。緊急性の高い疾患に対しても、柔軟に対応できるようになりました。

地域の医療機関の先生方へ

  • 令和4年度
    紹介率 98.0% / 逆紹介率 107.6%

最新の治療が提供できるよう、日々研鑽を積んでいます。

年2回、講演会を開催しています。

外部の先生方から最新の情報をご提供いただき、当院での最近の話題をご紹介いたします。

専門医制度単位(3点)を取得できるように行っていますので、遠慮なくご参加ください。

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