緩和ケアCARE

緩和ケア外来・緩和ケア病棟・緩和ケアチーム

がんと言われたときからはじまる緩和ケア

緩和ケアは、がんに伴う心と体のつらさを和らげます

がんになると、体や治療のことだけではなく、仕事のことや、将来への不安などのつらさも経験するといわれています。緩和ケアは、がんに伴う心と体のつらさを和らげます。

日本緩和医療学会「WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義(2002)」定訳

緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のクオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。

緩和ケアは、がんと診断されたときから始まります

がんと診断されると落ち込むこともあります。また、診断を受けたときには、すでに痛みや息苦しさなどの症状がある場合もあります。緩和ケアは、そのような落ち込みや症状に対して、がんと診断されたときから始まります。緩和ケアは、がんが進行してから始めるものではありません。がんの治療とともに、つらさを感じるときにはいつでも受けることができます。

緩和ケアは、がんと診断されたときから始まります:画像

図1 がんに伴う心と体のつらさの例

国立がん研究センターがん情報サービスより引用
https://ganjoho.jp/public/support/relaxation/index.html
(2020年11月16日最終確認)

緩和ケア外来

がんと診断された患者さんは、手術や化学・放射線療法などのがん治療だけでなく、がんに伴うつらさ(痛み、吐き気、呼吸苦、倦怠感などの身体的なつらさ、心のつらさ、経済的問題、療養上の気がかりなど)を解決することも重要です。

そこで、がんに伴う様々なつらさを緩和することを目的に、緩和ケア外来を開設しています。また、緩和ケア病棟の利用について相談する緩和ケア病棟利用相談外来もあります。


なお、現時点では、難治性疼痛の外来診療(ペインクリニック)はしておりません。
難治性疼痛に対して神経ブロック等の処置が必要と判断された患者さんには、ペインクリニックにご紹介します。

緩和ケア外来:画像

対応内容

  • がん及びその他の疾患による痛み
  • 消化器症状(吐き気、便秘、下痢など)
  • 呼吸困難や倦怠感
  • 精神的なつらさ
  • 療養の場の相談・連携 など

診察

診察日 毎週火曜日
9:00~12:00
(完全予約制)
毎週月曜日
(緩和ケア病棟利用相談外来)
10:00~12:00
担当 緩和ケア科主任部長 
端 裕之

緩和ケア科 
西川 信之
緩和ケア科主任部長 
端 裕之
場所 緩和ケア外来
(本館4階 通院治療センター内)
緩和ケア外来
(本館4階 通院治療センター内)

診察を希望される方

当院に通院中もしくは入院している患者さん

  • 主治医に「緩和ケア外来を受診したい」とお伝えください。
    主治医からの紹介により、緩和ケア外来受診の手続きをさせていただきます。
  • 予約の日時に受付を済ませて、緩和ケア外来へお越しください。

当院に通院していない患者さん

  • 現在、診療を受けている主治医に、「大阪赤十字病院緩和ケア外来」の受診相談をしてください。
  • 主治医から当院の医療連携課にご連絡いただき、緩和ケア外来の予約を受けてください。
  • 予約した日時に紹介状を持って、緩和ケア外来にお越しください。
    医療連携課
    TEL:06-6774-5127(受付時間:平日 8:30~17:00)

緩和ケアチーム

当院は、平成18年4月から地域がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)に指定されています。拠点病院の役割は、

  • 専門的ながん医療の提供
  • がん患者さんに対する相談支援及び情報提供
  • 地域のがん診療の連携協力体制の構築

などがあります。

緩和ケアチームのメンバーは、これらの役割を果たし、患者さんやご家族がどこでも切れ目なく安心して過ごすことができるように支援しています。

主な構成メンバー

医師(緩和ケア科、消化器内科、呼吸器内科、精神神経科)、薬剤師、がん看護専門看護師、認定看護師(がん性疼痛看護、緩和ケア、がん化学療法看護、がん放射線看護、乳がん看護)、入退院支援課看護師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー(MSW) 、理学療法士 、栄養士

主な活動

  • 病棟回診による症状マネジメントなどの相談
  • 緩和ケア外来の診療・連携
  • がん看護外来による相談・情報提供
  • 2次医療圏の医療者を対象とした「緩和ケア研修会」の開催
  • 院内外の医療者に対する教育・講演などの活動
  • 院内の緩和ケアに関するマニュアル作成等

緩和ケアチームへご相談を希望される場合

入院中の方 入院病棟の担当医や看護師にご相談ください
外来通院中の方 本館2階1番窓口「がん相談支援センター」にご相談ください

その他

緩和ケア病棟のご案内

緩和ケア病棟について

当院では「がん地域連携拠点病院」として、がん患者さんとご家族が身体や心のつらさを和らげ、その人らしく穏やかな毎日を過ごすことができるよう緩和ケア病棟を開設いたしました。対象の患者さんはがんやがん治療などによる身体や心のつらさを和らげる必要があると判断される方になります。病棟では、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・理学療法士・臨床心理士・管理栄養士など多職種のスタッフで患者さんやご家族をサポートします。

当面は、当院でがん治療を受けられた患者さんのみを対象とさせていただきます。他院でがん治療を受けられた患者さんの緩和ケア病棟入棟を目的としたお受け入れはできませんのでご了承のほどよろしくお願いいたします。

当院で治療中の方は主治医にご相談ください。

緩和ケア病棟の理念

患者さん一人ひとりの思いを尊重し、患者さんが「その人らしく」穏やかな毎日を過ごしていただけるように支援します。

基本方針

  • 身体(からだ)や心のつらさなどの苦痛を和らげることを最も優先します。
  • ご家族や周りの人たちの思いや気持ちに配慮して、患者さんとより良い時間が過ごせるように支えます。
  • 多様な職種のスタッフがそれぞれの専門性を活かしたかかわりを行い、患者さんと家族の生活と人生の質の維持・向上を目指します。
  • 終末期の療養場所としてだけでなく、地域の医療機関と密接に連携し、在宅でも安心して過ごせるように支援します。

入棟について

  • 対象患者さん
    がんによる身体や心のつらさなど苦痛症状の緩和が必要な患者さん
  • 入棟基準
    • (1) 患者さんやご家族が緩和ケア病棟の機能について理解し、入棟を希望されていること
    • (2) がんに対する継続的な治療(手術・抗がん剤など)を終了もしくは中断されていること
    • (3) 患者さんご自身が病名、病状を理解していること
  • 退棟基準
    • (1) 患者さんまたはご家族が退院を希望されるとき
    • (2) 苦痛が軽減し、病状が安定しているとき
    • (3) 手術、抗がん剤投与等がんに対する積極的治療を希望されるとき
    • (4) がん以外の疾患を有し、その治療を優先する必要があるとき
    • (5) 他人に危害を加えるなど他の入院患者との共同生活が難しく、病棟での管理が困難であると主治医が判断したとき
    • (6) 患者さんまたはご家族等が医療者へ著しい暴言、暴力等を行い、医療の提供が困難であると主治医が判断したとき

施設・設備のご紹介

緩和ケア病棟の病室は全て個室で有料個室9床、無料個室11床あり、計20床です。

個室名 金額(税込) 面積 室数 設備
A-type 14,850円 25㎡ 1 トイレ・洗面台・シャワー・ミニキッチン・床頭台・TV(DVD内臓)・冷凍冷蔵庫・応接セット
B-type 14,850円 35㎡ 8 トイレ・洗面台、ダイニングテーブル・床頭台・TV・DVDプレイヤー・冷凍冷蔵庫・クローゼット・畳コーナー
無料個室 0円 13㎡ 11 トイレ・洗面台・床頭台(TV)・冷凍冷蔵庫・ソファー
※TVの使用は有料となります。
  • 有料個室 A-type

    有料個室 A-type

  • 有料個室 B-type

    有料個室 B-type

  • 無料個室

    無料個室

  • 談話室:画像1

    談話室

  • 談話室:画像2

緩和ケア病棟Q&A よくあるご質問

本人に病名を告知していませんが、緩和ケア病棟に入院できますか?

患者さんが病名、病状を理解していることが基本となります。本人に緩和ケアについてご理解していただけていることが緩和ケア病棟での入院生活では重要になります。

緩和ケア病棟ではどのような治療をするのですか?

がん治療を目的とした積極的な治療は行いません。がんに伴って生じる患者さんやご家族の身体的・精神的痛みを緩和する治療とケアを行います。積極的な治療を再開する場合は退棟して外来や一般病棟へ戻っていただきます。

すぐに入院できますか?

緩和ケア病棟へ入院するには緩和ケア科医師との面談後、入退棟判定会議を経て入棟基準を満たしているかについて確認し、入院の申込となりますので面談の後少しお待ちいただくことになります。また申しこみの順番だけでなく体調の悪化などで順番が入れ替わる場合もありますのでご承知おきください。

外出・外泊は可能ですか?

医師の許可があれば可能です。

緩和ケア病棟に長期間入院することはできますか?

基本的に長期療養を目的とした病棟ではありません。病状が安定した患者さんには在宅療養をお願いしています。病状が悪化した場合には再入院することも可能です。また在宅療養が難しい場合は退院支援の看護師・ソーシャルワーカーがご相談にのり、安心して療養できる場所を探します。

無料の個室に入院できますか?

無料個室を患者さんに公平にご利用していただくために、無料個室の利用は 4 週間(28 日間)までとさせていただきます。それ以降は、有料個室での入院となります。