院長のご挨拶

大阪赤十字病院院長 坂田 隆造

 大阪赤十字病院は明治42年に創立され、爾来「人道・博愛の赤十字精神に基づき、すべての人の尊厳をまもり心のかよう高度の医療を目指す」との病院理念を掲げ受け継ぎ、今日に至っております。この理念を実現すべく六つの基本方針を立て、この基本方針に沿って時代の変化に即応した具体的中期計画を実行してまいりました。基本方針を提示しつつ現状の取り組みをご紹介したいと思います。

 1) 質の高い急性期医療・高度な専門医療を実践します
 「救命救急センター」では、昨年医療スタッフを強化し20床の病床で24時間365日、より多くの救急患者対応ができるようになりました。年間の救急患者数は22000名、救急車受入れ件数は9000件を超え、さらに320列CTをセンターに導入し質量ともにより充実した救急医療を展開しております。また、当院は厚生労働省指定の「地域がん診療連携拠点病院」であり、昨年新たに「がん診療センター」を立ち上げ、手術支援ロボットのダ・ヴィンチ、3テスラMRI,放射線外照射治療装置(リニアック)などを整備してがんに対する高度医療・集学的治療体制を整えました。「心臓血管センター」では循環器内科医・心臓外科医が一体となって循環器病の高度医療にあたり、また大阪府より指定された「地域周産期母子医療センター」ではハイリスク妊娠・分娩の対応にも力を入れています。

 2) 地域との円滑な医療連携に努めます
 当院は「地域医療支援病院」の指定を受け地域完結型医療の中核を担ってきました。「患者総合支援センター」には入退院支援室、医療福祉相談室とともに地域医療連携室があり、この地域医療連携室が窓口となってこれまでも病病・病診連携を構築してきました。数多くの病院・診療所に連携施設としてご協力いただいており、連携登録医は698名となっています。団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向けて地域医療構想が加速しており、当院は高度急性期病院として使命を全うしていく所存ですが、そのためには連携病院・診療所の更なるご支援が欠かせません。連携医療機関のお力添えをお願いする次第であります。

 3) 国内外の災害救護、医療救援に積極的に参加します
 「大阪府指定災害拠点病院」、「日本赤十字社国際医療救援拠点病院」の責務を果たすために「国際医療救援部」を設置し、毎年、医師、看護師など多くの多職種職員を国内外に派遣し、医療救援活動を活発に行っています。

4) 医療人の育成を図り、医の倫理の向上に努めます
 当院は「基幹型研修指定病院」であり、現在22名の初期臨床研修医が学んでいます。初期研修を修了した専攻医46名も在籍し、上級医師の指導の下それぞれの目標とする専門医を目指して研鑚に励んでいます。初期研修医も専攻医も近畿地方を中心に西日本一円の大学医学部から応募があり、出身大学の多様性を享受しています。また当院には、明治42年に創設された看護婦養成所を前身とする大阪赤十字看護専門学校が併設されており、これまでに数多くの人材を世に送り出してきました。当校では看護学、看護技術に加えて「赤十字の精神」の涵養に教育の重点を置いており、卒業後は国内外の医療支援の現場でも活躍しています。

 大阪赤十字病院の基本方針に沿って活動と診療内容の現状を記してみました。基本方針はもちろん当院の理念を実現するための医療活動の骨格をなすものです。「人道・博愛の赤十字精神に基づき すべての人の尊厳をまもり 心のかよう高度の医療をめざします」との理念を今日的な姿で実現し地域の皆様のご期待に応えられるよう、医療安全に配慮しつつこれまで以上に診療の質を高めてまいる所存であります。